今までに建築させていただいた、お客様の建築・施工事例の中から色々な「階段下スペースの活用例」を集めてみました。
実際に階段下のスペースがどのように生かされ、活用され、プランニングに取り入れられているか、をご紹介したいと思います。
階段下のスペースとは?
まず、階段は建物の下の階と上の階をつなぐための空間です。1段上がるごとに20㎝程度ずつ上がっていくことになります。例えば、5段上がると高いところでは1m程度上がったことになり、その分、1階の床との間に空間が生まれます。そして、この空間が「階段下のスペース」です。このスペースは、意外と広さもあるので、ただただデッドスペースとして放置するのは勿体無いです。工夫をすれば、様々な用途で活用することができます。
階段下スペースのイメージがこちらです。 ↓
それでは、実際の施工例をご覧ください。
No1.
まずは、扉を付けたオーソドックスな階段下収納です。写真はリビングに設置したものですが、ホールにもおすすめです。
No2.
内部に可動棚を設置すれば空間をうまく利用できます。この写真は洗面所です。洗面所の収納やパントリーに活用するのも良さそうです。
No3.
玄関横に階段がある場合は、土間収納として利用するケースがよくあります。写真は階段の上り始めの部分を利用しています。ホールから一段下がった玄関タイルと同じ高さの床にあわせることで収納内部の高さを確保しています。
N04.
こちらは、シューズクロークです。玄関横に階段があったのと、比較的高さを確保できたので、設計段階で予定していたシューズクロークに取り込み、このような感じになっています。階段のコーナー部分だったこともあり、写真中央にある45㎝程度の袖壁(そでかべ)が階段の支えも兼ねています。
No5.
階段下スペースの活用で最も多いかもしれないのがトイレです。建物をあまり大きくできない場合にプランニングすることが多いです。天井が階段状にデコボコし、奥に行けば天井が低くなるので圧迫感を感じられる方にはお勧めしません。ただ、奥に飾り棚を設ける場合、トイレ本体が奥の方にならないので、それほど気にはならないと思います。(個人的な感想です。)
No6.
こちらは、トイレ横に階段があったのでトイレの収納として利用しています。引き戸付きなので開け閉めできます。
No.7
次は、階段下のトイレと階段下収納の合わせ技です。こちらはの収納には扉がありません。
No.8
リビングに設けたオープン階段の場合はこんな感じです。リビングの空間と一体になっており、下に家具などを配置できます。こちらのお住まいではテレビを置くスペースにしています。
No.9
こちらは、少し変わったタイプで配線スペースにしています。この壁のウラ側がテレビスペースになっており、壁の穴を通して配線できるよう設計されています。
No.10
最後は、外部収納です。外壁に面して階段を設けた場合には、このように階段下のスペースを利用できます。1階の床高 プラス 基礎の高さ分、空間を利用できます。お住まいの外で使う物をしまうのに重宝します。中に照明も取り付けできます。
No.11
これは、番外編です。階段上にも利用できるスペースがあることをご存知でしょうか?
収納内部の床はどうしても上がってしまいますが、写真のように扉を付けて収納として利用できます。ちょうど、押入れや収納の中段と同じような感じです。
いかがでしたでしょうか?参考になりましたでしょうか?
階段下のスペースは冒頭でも述べましたが、いろいろな用途で活用することができます。
階段を作る場所、方向によっても様々です。
ただ、階段下のスペースを活用するうえで注意して欲しいところもあります。
➀ 階段下なので高さには限度があります。
階段の上り始め部分は高さをあまり確保できませんので、中に入れる物の高さには注意してください。
➁ 階段を支えるために柱や壁が必要な場合があります。
間取りによって、階段を途中で曲げる必要がある場合はコーナー部分を支える柱や壁が必要ケースがあります。
➂ 開口部の向きには注意が必要です。
開口部の向きによっては、物の出し入れが大変なケースも・・・
以上、階段下スペースの活用例と注意点についてのご紹介でした。
これから家づくりをお考えの方、また、もうすでに間取りの打合せをされている方、階段下のスペースを有効活用されてはいかがでしょうか?